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　最大の難所、箱根が近付いてきた。ここばかりは今までのような行き当たりばったりでは越せそうもない。現代の旅人たち、先人たちの記録を見ても、だれもが箱根で宿泊している。ここを何とか１日で越せないだろうか。
　というのも、箱根は首都圏に近いため、何てことない普通の土日とは言え、そう簡単に宿が取れないのである。また、気まぐれな性格、徒歩旅行という特殊事情から、仮に予約を入れたとしても、その日がたまたま雨だったら、急用が入ったら、体調が悪かったら、と考えると面倒になってしまうのだ。できれば前日に天候の確認をして、一気に越えてしまいたい。

　今までのわずかな記録を元に考えてみる。
　ほとんど、現状では出発は11時頃で、スタート地点の到着が12時頃であり、4時半の日の入りまでの4時間半を歩いている。一番長い距離を歩いた日でも16.4km、起伏が多く道を間違えながら見物の多かった四日目は13.8kmである。

　八里といえば、3.9km×8里＝31.2km　現状のペース、4時間半で14kmから考えると、10時間かかることになる。おまけに難所と言われる箱根である。終了時間の午後4時30分から逆算すると、少なくとも午前6時30分には出発しなければならない。午前6時半なら、午後4時半ほどの明るさはあるから、スタートも無理ではない。しかし、その時間から、難所と言われる区間を休み無しに歩き続けなければならない。果たして可能なのだろうか。
　万が一、三島にたどり着く前に完全に日が暮れてしまった場合の交通手段は？

　やはり箱根だけは宿泊を考えるべきなのか。それとも、日の長い季節を待つべきなのか。前後に１時間余裕ができれば何とか可能な感じがする。