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　過激なタイトルで申し訳ない。日本テレビ系列の「ズームイン・スーパー」の一コーナで行われた企画、小学生７人とスタッフによる徒歩東海道の旅の記録。それを再構成した特集番組であり、2002年9月8日午後１時半より放映された。街道歩きを趣味として、ここを御覧の方々なら、見た人も大勢いることだろう。
　東海道を歩いた人で、この番組を見た人なら、きっと映像の順番がおかしいことに気付いたことだろう。特に、箱根の手前の二の宮付近など、大きな順番の誤りがある。

　多少でもこの世界に足を踏み入れたことがあり、まあ、演出のためなら「ヤラセ」でも何でもありの世界であることは承知している。しかし、せっかくのドキュメンタリーとして流すのであれば、街道の順序を適当に入れ替えて、さも、感動ストーリーに仕上げました、などという変な演出は、して欲しくない。ましてや、まじめに全行程を歩ききった者ならば、誰でも思うだろう。

　この企画は、小学生の夏休みを利用しているため、７月２５日発で２４日間、８月１７日に三条大橋着、ということになっている。８月１７日というのは意味ありげで、この日は日テレの看板番組「２４時間ＴＶ」の放映日である。私は見たことが無いので判らないが、きっと、それに間に合わせて、何らか利用したのであろう。
　この２４時間ＴＶというのも嘘の塊の番組であり、誰やら落ち目のアイドルを100kmマラソンさせて感動を呼んだことになっているが、あれも、実は7〜80km程しか走っていないことが判明しているようだ。そうでないと、後半の２時間で世界新記録を達成してしまったことになるらしい。無論、その指摘に対して、日本テレビは、時間と距離の公表を間違えたと正式にコメントしているようだが、それにしても、前半平均時速2〜3kmなのに対して、最後の２時間が平均時速10kmになるそうで、100km無かったことだけは確からしい。
　今回は、この話は関係ないが、このようなテレビ局の企画である。最初から疑ってかかったほうが良さそうである。

　この番組、詳細を検討するためにＶＴＲに撮ってあり、公開もできるのだが、著作権やらの関係があり、シーンの一コマと言え、おいそれと公開はできなさそうである。仕方がないので、言葉だけで説明するので、見ていない人には理解しにくいかもしれない。
　さて、無駄話はこれぐらいにして、さっそく詳細を見てみよう。

番組開始４分にして、もはや滅茶苦茶である。まあ、インタビューの順番など、多少前後しても構わないが、インタビューを始める前に、銀座４丁目の交差点を横断しているのである。
インタビューの順番は、適当に撮って、学年順に並べたようなので、細かい点は何も言わないが、地図で確認して欲しい。順番がでたらめである。

さて続きを見てみよう。インタビューを終えて、「突然の雨」のシーンである。

ＲＴＣ	画面内容	.	備考
0:04'58	交差点横断	新橋・博品館	（道路右側を歩行）
0:05'06	突然の雨・レインコート着	不明? 品川付近か?	（道路左側を歩行）
0:05'29	品川の宿	北品川
0:05'38	晴れる	三田・田町（三菱本社前）	（道路右側を歩行）
0:05'51	六郷橋到着	川崎・六郷橋	９時間の歩行で到着
0:06'22	１日目の宿泊	本町２丁目	東町内会館　28538歩

　突然の雨、のシーンである。これは、残念ながら、場所を特定できる映像が無かった。ビルの入口の雨宿りシーンなので、この辺りを歩いて見れば、ビルの入り口の特徴からわかるかもしれない。しかし、一つだけ場所を推測できるヒントがあった。備考に示した、道路の舗道の位置関係である。レインコートを着ているシーンで、明らかに道路の左側を歩いている。品川の宿に入るためには、どこかで左に移る必要があるので、品川の手前であることが推測される。しかし、しかしである。

「晴れたら、今度は気温が急上昇」とナレーションが入ると、何と、三田に戻っているのである。

　道路右側を歩いていることからも、間違い無く、品川手前であることが判る。品川から先、川崎に至るまで、右側を歩くはずが無い。雨のシーンの後に、晴れて「暑い」とつぶやくシーンが欲しかったのだろうが、これは過剰演出ではないか。この海くんが「暑い」と言った後に、雨が降り出したのが真相なのである。

　ようやく、川崎に到着したわけであるが、この先がまたすごい過剰演出がある。次回に続く。

「２４時間ＴＶの嘘の塊」の件であるが、実は、学生時代にアルバイトで、初期の頃の２４時間ＴＶの裏方をやったことがあるので、ちょっとは裏側を知っているのである。
　ま、それを知ってしまったために見たことが無い、という程度に汚い世界である、とだけ言っておく。