11:50 鳴海 (0)	いよいよ今回の旅の終着、熱田（宮）まであと一区間となった。究極の目的地は当然のことながら、京、三条大橋であるが、５日しか休みをもらっていない。とてもたどり着くことはできない。名古屋まで到達すれば上出来、と思っていた。 　さて鳴海宿であるが、広重の絵では、なぜか有松が題材となっている。従って真似をして上写真は、有松の再掲である。 　鳴海駅前に本陣跡があり、それを過ぎると街道は右折、北上する。常夜灯などを見ながら歩くと、広い道を横断する。どっかで見た道路だった。それもそのはず地図で見ると、名古屋第２環状線、とある。名古屋に住んでいた頃、よく使った通りであった。（ちなみに「名古屋環状２号線」とは別物である。紛らわしい）
12:38 笠寺一里塚 (5179)	橋を越えると、歩道上に分間絵図のレリーフが飾られている。かなり大きい。 　そこを過ぎると、道は緩やかに右に曲がり、その先にこんもりとした大きな茂みが見える。 　笠寺一里塚である。これは期待していた一里塚である。遠目には、幾つかの木が生い茂っているように見えたのだが、一本の巨木による一里塚であり、何がすごいかというと、その根っこである。塚全体を掴み上げようかという迫力である。　 　 　 　一里塚を越えると、笠寺観音がある。 名鉄本笠寺駅付近で踏み切りを越えると、再び街道は、名鉄に平行する。豊橋からずっと平行し、何度も交差した名鉄本線だが、これが最後の交差だ。 　 　せっかく名古屋にいるのだから、ということで「きしめん」を探していたのだが、ようやく小奇麗な店を見つけた。桜駅前付近で、遅い昼食を取る。 　店を出る際に、話を聞くと、やはり今年は街道歩きの人を多く見かけたそうである。しかし、それほど客が増えたことはなかったらしい。
14:21 伝馬町一里塚	「笠寺」「呼続」、以前、名古屋に住んでいた頃には馴染みの地名だったのだが、こんなに静かな一画があったとは信じられない。旧道は、都会の喧騒から逃れてひっそりと生きていたようである。壊れた道標を横目に進むと、山崎川を渡り、馴染みの「ブラザー工業」が見えて来た。正面には名古屋高速が横切る。久し振りに都会らしい風景になり、歩道橋で国道を横断すると、直進方向が国道１号線になる。国道１号線は、ＪＲ東海道本線、新堀川をわたるため高架になるが、旧道は側道を進む。踏み切りを渡り、ちょっと複雑な五叉路（正式には六叉路）を斜め左、自動車工場に沿って進むと新堀川を渡る。 　道端には、小さな「東海道」と書かれた標柱?があり、一安心する。ここから、ずっと旧道にそって、所々にあるため、道を間違えないですんだ。 　 　 　名鉄常滑線をくぐると、伝馬町一里塚跡がある。この一里塚、書籍等には全く記載が無いのだが、看板にしっかりと書かれていた。この看板の「現在地」に、伝馬町一里塚との記載があるため、この一画がそうなのであろう。 　 　他に、都都逸発祥の地、裁断橋跡、などの石碑を見ながら進む。
	やがて広い道に出るが、横断歩道が無く渡りにくいため、一旦、右の交差点まで迂回して横断する。 　渡った先にあたる所に、和菓子屋「亀屋芳広」がある。菓子担当の相方に敬意を表して立ち寄る。 　「七里の渡し」という、小さな籠に入ったかわいいお菓子を購入した。 　 　菓子屋を出ると、やがて道はＴ字路に突き当たる。左折するといよいよゴールなのだが、広大な国道にて分断されていた。直進の旧道は見えるのだが、完全に分断されており、渡る手段が無い。 　 　左手に横断歩道橋を見つけるが、なぜだか階段が無い。どないせーちゅうねん。 　あらためて非常に遠回りして横断する。 　 　あとは直進のみ。ゴールが見えて来た。
14:55 宮の渡し (14382)	突き当たりは宮の渡し公園である。 　「七里の渡し舟着場跡」なのだが、公園の名前は宮の渡し公園であった。 　蔵福寺の鐘楼の復元やら、常夜灯の復元やらが並んでおり、博物館になっていた。 　夕暮れにはライトアップされるそうだが、まだ日が高く、待つことはできなさそうだ。　 正面に見える石碑 蔵福寺鐘楼 常夜灯 　しばらく感動を味わった後、車を取りに戻ることにした。有松鳴海絞会館に置きっぱなしになっている。一番近い公共交通機関は、伝馬町の地下鉄駅であるが、ちょっと散歩がてら「神宮西駅」に向うことにした。後になって考えれば、これだけ歩くのなら、直接「名鉄神宮前駅」に向うことも可能だったが、地下鉄で金山に向かい、名鉄線に乗り換えて有松へ向った。以前、８年間も名古屋で生活していたが、名鉄本線に乗るのは始めてだった。有松鳴海絞会館では、多少、文句を言いたげな様子であったが、特に何も言われず、無料で１日中置かせてもらった。今さっき歩いた道をたどるように名古屋市内に向ったが、途中から渋滞が始まったので、環状線に右折し、天白区方面から名古屋大学を経由して池下に向う。今日の宿は、池下の「愛知厚生年金会館」であった。 　夕食は、名古屋駅に新しくできたターミナルビルで味噌煮込み、それから電話連絡をいれておいた旧友の店に向うと、くだらない偉業達成を面白がって、多くの友人たちが駆けつけてくれ、久し振りの名古屋を夜遅くまで楽しんだ。   　お疲れさまでした

【集計】（移動距離は、ProAtlas'2002による）

	今回	累計
要した時間	３時間０５分	１５３時間２１分
東海道歩行時間	２時間１５分	８７時間３８分
移動距離	９．３ｋｍ	４５５．８ｋｍ
東海道移動距離	９．０ｋｍ	３７７．２ｋｍ
歩数	14,382	661,608
費用	780円（きしめん）  140円（お茶） 1400円（菓子）  200円（地下鉄）  290円（名鉄） 5590円（宿泊）  324円（消費税） 1424円（味噌煮込み）  230円（地下鉄）  260円（地下鉄） 3800円（本） 1800円（飲み代）  150円（清涼飲料水）	202,922円

池鯉鮒から鳴海へ22日はじめに