10:11 二宮駅前 スタート地点 (0)	二宮駅を出るとすぐに国道１号線、すなわち東海道である。国道１号に突き当たると右に曲り、小田原方面へ歩き始めた。 　しばらく進むと右に分岐するはずだったので、右側の歩道を歩いた。歩き始めて800メートル程で、目的の分岐に到着した。 　もう一箇所、間違いやすい分岐があったので、最初は自信が持てなかったが、曲ってすぐに、「旧東海道の名残」と書かれた標識が立っており、間違いないことが確認できた。 　路地裏に入ると、いろいろ面白い物が発見できて楽しい。「梅沢橋」と書かれた欄干だけが、なぜか道の端にポツンと置かれて、川が見当たらなかったり、火の見やぐらの足元にたくさんの道祖神があったり。 　そうこうしていると、再び国道１号に合流する。 　道は今度は左に分岐するはずなので、道路を横断し、左の歩道に移った。 　すると、「井戸神様注意！」と書かれた看板、というか、バス停の標識のようなものが立っていた。一体何なのか不明である。写真を撮ろうとしたが、今日は、うっかりメモリカードの予備を持って来るのを忘れており、そんなに無駄な写真が撮れないことを思い出し、我慢した。東海道ネタというよりは、ＶＯＷネタの写真であろうが。 　そうこうしていると、左分岐があった。 ここにも「旧東海道の名残」の標識があり、間違いないことが確認できる。 　分岐してしばらく平行している区間の、分離帯のような部分に、第18里目の一里塚があった。 　徐々に国道とは別の方向に向かい、その後再び合流する手前で急激に下り坂となる。ここが押切坂であるようだ。
10:42 小田原市境界 (3180)	押切坂を下りきると国道１号線と合流する。そして押切橋を渡ると、「小田原市」の標識があった。いよいよ小田原である。 　と喜んだのもつかの間、60メートル程進むと、再び「二宮町」になってしまった。複雑に入り組んでいるらしい。150メートル程で、再度「小田原市」に入った。 　西湘バイパスの橘インターを越えたあたりで、急に目の前が開け、海が見え始める。その向こうには、伊豆半島の山々が立ちはだかっている。徐々に道が下り、今までかなり高い所にいたことがわかった。この坂が車坂である。もう、完全に小田原市内に入ったようだ。 　車坂の碑の少し先に、大山道分岐の道標があった。派手な碑が目だっているが、交通量の多い通りの反対側で、渡る箇所が無かったため、道の反対側から眺めることしかできなかった。
11:07 国府津駅前	歩き始めて１時間でようやく国府津の駅前を通過した。国府津は、以前コラムの方で紹介したとおり、東海道線が開通した当時、小田原の中心の駅として利用されていた駅である。熱海回りが開通し、現在の小田原駅が開業してからは、街の中心が移動してしまったため、寂れてしまった。確かに繁華街の名残はあるものの、寂しい商店街となっていた。アーケードのある寂れた商店街を抜けると、西湘バイパスの国府津インターがある。 　国府津インターの交差点は、交通量がおおいためか、横断歩道ではなく歩道橋であった。歩道橋を渡ると、富士山が見えた。この旅を始めてから、初めて見る富士山であった。もう少し手前で見えても良さそうだったのだが、意外なことに富士山方面まで晴れ渡った日がなく、いつも霞んでいた。今日初めて顔を見せた富士山は、かなり大きな姿になっていた。しかし、箱根に近付くにつれて再び姿を消し、峠を越えるまで見えなくなるであろう。 　歩道橋を降り、歩道に戻ると松並木がちらほらと見える。点在する松はいずれも巨木で、民家の庭に食い込むように残っていたり、ファミリーレストランの敷地内に残っていたりした。中でも一番大きい物は、幹の太さが周囲が３メートルを越えると思われる。 　巨大な松を眺めていると、そこにあるバス停の名前が「一里塚」であることに気付いた。少し辺りを見まわすと、塚も碑も無かったのだが、説明の看板だけがあり、このあたりに第19番目の一里塚があった、とのとである。
11:52 酒匂川 (10801)	再び松並木、道端の道祖神などを見ながら進むと、やがて広重の小田原の題材となった、酒匂川に到着した。

【集計】（移動距離は、ProAtlas'97による）

	今回	累計
要した時間	１時間４１分	３４時間５３分
東海道歩行時間	１時間４１分	２１時間３７分
移動距離	８．５ｋｍ	１０９．６ｋｍ
東海道移動距離	８．５ｋｍ	８５．７ｋｍ
歩数	10,801	160,919
費用	0円	23,149円

---

七日目はじめに小田原宿